わたしの見た風景


by kayauokamoto
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明治村 その2

さてさて続き。

どの建物も立派で見ごたえがあるのだけど、
中でも面白いのはやっぱり人の住んでいた家屋。
当時の暮らしぶりを想像したり、
家に託された生活の知恵に触れられて、
わくわく心が弾みます。

鴎外と漱石が住んだというおうち(明治20年頃。東京都文京区)。
典型的な日本家屋だけど、こういう家に住みたいなー。
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こうして縁側で、小説のことぼんやり考えてみたり。

重要文化財の東松家住宅(明治34年頃。名古屋市中村区)。
東松家は油屋から始まり、銀行を営んだ商家。
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見上げると、いろいろからくりというか、入り組んだ仕組みになっていそうで、
すごく上がってみたかったのだけど、
残念ながら館内案内の時間が終わってしまって見られなかった……。

その代わり芝川又右衛門邸(明治44年。兵庫県西宮市)では、
特別にガイドさんがもう一巡してくださり、中を見ることができました!
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ここは本当に面白かった!
芝川は三井・住友と並ぶ豪商のひとりとあって、
とにかくセレブでモダンなおうちだった~。
お風呂もキッチンも、現在でも全然遜色ないくらいだし、
網代と葭簀で意匠を凝らした天井も、階段のデザインも、造りつけのベンチも、
何もかも素敵すぎる……このまま居ついてしまいたい……。
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オットに、「めちゃめちゃテンションあがってたよ」と言われるくらい、
ひとりふんがーと頭から湯気出してました。

ここらで時間も押し迫ってきて、
最後は帝国ホテルの中央玄関(大正12年。東京都千代田区)。
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全容はどんなふうだったのだろうなあ。
やはりここも、文化や社交界というものを強く感じさせます。


以前から折に触れて思うことなのだけど、
明治や大正では、現在「格差社会」なんて言われるよりも
よっぽど隔絶した身分の差があって、
その上流に属している人たちは本当に大きな時代の渦の中で
当たり前に文化の一端を担っていた。
“東京”は、遠く、大きな国だったろうし、
海の外はさらに未知に溢れて畏く輝いていたのでしょう。

明治村にある建物は、そういうあの頃の威厳を携えてそこにあったけれど、
私たちの眼には、そこに絶望的なまでの羨望は映らないし、
しかも現在次々と建てられていく建物には、そうした感慨は、ますます抱かない。

人口70億人となったこの世界は、ずいぶん身近で、平坦なものだなあ。
あの頃の眼で、あの頃の“世界”を見てみたい。
そんなふうに話しながら、
高速を走らせて30kmほど離れた街にあっという間に辿り着き、
ベルトコンベアに乗せられた、それでもそれなりにおいしいお寿司をちょちょっとつまんで、
マンションに均等に振り分けられた小さな一室に帰る私たちだったのでした。
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by kayauokamoto | 2011-11-01 15:04 | 日々のくらし